第10話 和の者たち
掛軸・屏風・障子・ふすま・たたみ なにげに見て、触れていた和の物たち。生活様式の変化により姿を消しつつある今日この頃ですが、エコの重要性が問われている昨今、和紙・布・木 によって創られるこの物たちはまさにエコの代表格ではないでしょうか?昔ながらの日本家屋に行きますと何か奥のほうから涼しい風が吹いてくる感じがありましたが、最近はあまり経験しなくなりました。
障子=組まれた木に和紙を張っただけの者ですが、内と外をちゃんと分け隔てなおかつ外の光やら気配を感じる事がでける。
ふすま=木に和紙を張り重ね取っ手を付けた者。まさに引く文化の代表でしょうか。ドアみたく開ける文化ではなく壁にそいながら引くという。面積もとらず合理的で機能性にも優れています。和紙にはほこりなどを吸う特長もあり、何を貼るかで部屋全体のインテリアにも大きく関わってきます。
たたみ=足にあたる感触の良さ、ごろん(横のなる)となったときの安心感。 掛軸・屏風=家の美術館。好きな書や絵を飾る事で心の豊かさ・自分の(その家の)心情・ものの考え方などを表現することがでける。純粋に楽しみましょう。なおかつ、巻けるし、たためるのでコンパクトで作品の保存にも最適!。
絶滅危惧職となりつつある僕の職種ですが、老人大国となりつつある昨今において心の部分において必要であると、信じていますし形式は少し変わるかもしれませんがなんとか残ってほしいジャンルです。
佐賀市の画廊、憩ひ(やすらひ)様より洋画を屏風にして欲しいと依頼を受けました。高さ1m60cm・巾2mをこえる作品。号で言うと200号くらいでしょうか?おもしろい絵でしたのでこれは良い屏風になると確信して作らせていただきました。洋画を好まれる方が屏風という形でご依頼いただきましたのはすごくうれしくもあり又、こういう方向でも掛軸やら屏風といった和の者たちが残っていくのかなぁと思ったなかむ〜でした。
画廊やすらひ=佐賀県佐賀市天神2−5−25ニューセンチューリー天神ビル一階
小林裕児・こばやしゆうじ=1948年東京生まれ・東京芸大油画科大学院終了・春陽会会員・多摩美術・女子美術短期大学・東北芸術工科大学講師 |