掛け軸・屏風・衝立・書画の販売修理、神社・仏閣・お茶室・文化財・美術品・仏画・御名号の表装などの依頼は福岡県大川市の表具処 「泰隆堂」まで
第4話 伝統工芸(久留米絣)

いろんな所にその道の達人がいまして、私の周りにもそんな方々が大勢おられます。梅干を作らせたらとっても上手なおばあちゃん、花を活けたら抜群にセンスのいい近所の奥様、ギター弾かせたらなかなかの職人さん And so on. 

皆さんその道のプロという訳ではないのでしょうが、日々是精進  自分のこだわりにて楽しんでられます。

さて、私の仕事である表具はジャンル分けしますと工芸と言う物になりますが、ひとくちに工芸と言いましても様々なものがあります。基本、美術品との違いは 美術品(観賞用)工芸品(使用する物)の違いでしょうか。しかし使ってなんぼの工芸品でもそれが長年受け継がれ伝統的になってきますと美術品とのボーダーラインを超えてしまう事があります。

先日、梅雨の晴間 福岡県八女郡広川町の久留米絣無形文化財保持者の工房を訪ねました。肩書きのみ聞きますとすごく硬そうな感じがしますが、なんのなんのとても親切に丁重に久留米絣の工程、作品を見せていただきました。やはり現場で見るのと着物屋さんで見るのとは大違いで梅雨の季節の湿気も手伝ってか、その現場から発せられる絣のにおいまでが強く感じられました。

そういえばこのにおい、思い出したぞ!京都の桂離宮にも超有名な市松襖がありますが、その紙が出来る工程を見学に越前の紙漉き処・滋賀県の森さんだったかな?藍染の工房を訪ねた事があったぞ。あの時は、いいにおいとは感じなかったが・・・ 今は・・ あ〜このにおいは好きな人にはたまらないだろうな・・・ 

あの永六輔さんも久留米絣のファンで、庭説法の時は絣をついで袈裟みたくしたはんてんの様な着物を着てられますね。その絣の工程はと言うと長くなるので省きますが、一反が出来るまでに30以上の工程があるらしいです。そしてその一つ一つに技と経験そして多分センスとリズムと言う物がいると・・・  

とにかく並大抵ではないみたいです。私も時々着物を使って屏風など作ったりしますが、久留米絣に関してはどこをどう切っても絵になるから不思議です。そういうのも仕事着・普段着に始まった久留米絣の持っている味なんでしょうか。梅雨の晴間の忙しい時にもかかわらずおもてなしいただき誠に有難うございました。   
   
   

 

     
 
絣が好きで見学に行き、そのままお弟子さんになり10年すぎました。
 
     
           
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