第6話 女性表具作家
先日、国東半島の最北端にある国見町へ行ってきました。そこに濤音寮(別名、三階屋<さんがいや>明治時代に建てられてのにしては珍しい3階建てなのでそう呼ばれている。)と言う130年程前に建てられた造り酒屋があります。
今は酒屋としては営業していなくて、国東半島に在住している方の美術・工芸の展示会場として、地域の文化交流の場になっています。
そこで前から気になっていた、表具作家の和田木乃実さんの作品展を見てきました。この方は着物や古布を使った創作屏風で新境地を開拓された方で、まさに作家と言うにふさわしい方です。
何でも新しく開拓するのは難しいものですが、特に表具の世界では新しい物が出来にくく、数百年同じようなやり様できてますからなおさらすごいなぁと思います。
さてその作品ですがデザインといい、仕事のきれいさといい、どれもが素晴らしく、とても参考になりました。仕事もちょっとかじった程度で創作してるのではなく、ちゃんと裏打ちされた上での仕事をされてますので、その仕事も軽くなく素晴らしい物でした。そして作品を近くで見ても、いったいどうやって張っているのか、つなげているのか分かりません・・ 私も屏風が好きでこだわって作っているつもりですが、まだまだだなぁと実感させられました。
本人さんとはお目にかかれなかったんですが、和田さんはその濤音寮が生家だそうです。三階屋の当主としては5代目になると書いてありました。そして仕事もこの建物の中でされているそうです。タイミング良ければ作業も見ることが出来るらしいです。歳も私と同じみたいですので機会があればまた行ってお話しを伺ってみたいと思います。 |